宇都宮のはせがわ整形外科


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腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

 

 

腰部の痛みは、整形外科を受診される患者様でもっとも多い愁訴です。その中でも、腰椎椎間板ヘルニアは代表的な疾患の1つです。腰部の痛みは、生活上あらゆる動作にて痛みが伴い、日常活動の制限を多くしてしまう要因になります。


腰椎椎間板ヘルニアの発症年齢としては、20歳台、30~40歳台、ついで10歳台、50~60歳台に多く発症します。

脊柱の機能に最も重要な役割を果たしている椎間板は、一生を通じ負担がかかることを強いられている場所です。


例えば、立位姿勢を100%とした場合の姿勢の違いによる椎間板内圧(椎間板にかかる圧縮力)の変化を見てみます。以下のグラフを見てみてください。

 

 

Nachemson A :The lumbar spain.An orthopaedic challenge.Spain 1:59-71,1976 より引用

 


立位で前に屈む姿勢で150%、前に屈みながら物を持ち上げる姿勢で220%の上昇が見られます。
また、座位姿勢で140%の上昇、座っている姿勢によっては更に上昇する事がわかります。(座って前にかがんだり、腰が曲がった姿勢で居続けるなど…)


意外かもしれませんが、立っている姿勢よりも座っている姿勢の方が椎間板にかかる負担は大きい結果が報告されています

その他、長時間の同一姿勢も椎間板内に血液が回らなくなり、栄養状態が悪くなって変性の原因になりかねません。

 

現在の社会生活において約8割の人々が1日、8時間以上、座位姿勢にて生活を送っているといわれています。
このような事から、日々の生活環境、日常動作、姿勢の癖などから身近に症状を出現させる要因が潜んでいる事が考えられます。

まずは、皆さんができる対策として長時間同じ姿勢をとり続けないことや、不良姿勢のままで居続けないことを意識すべきでしょう。

 

 

症状

 

 

症例の多くは、急性発作(突然生じる症状)として激しい腰痛と下肢痛を伴う事が多いです。初期の反応は炎症による症状が主体です。


当初は、腰痛がひどく身体を動かす事もままならない場合があります。時間の経過とともに、腰痛は弱まっていく事が多いですが、その限りではありません。


急性な腰痛が過ぎた後は、飛び出た椎間板が神経を圧迫していることから生じる下肢痛としびれ症状が主体となってくる場合が多いです。
また、同一姿勢の保持での、腰臀部・下肢の重苦しい痛みという傾向があります。
腰部の神経が圧迫され続けることで、下肢筋力が低下することがあります。その代表例が、スリッパが脱げやすかったり、ちょっとした段差にもつまずきやすくなるといった症状も出現してきます 。神経の圧迫のされ方によっては、排泄をコントロールしている神経が障害されて、おしっこや便のコントロールができなくなることもあります

 

 

原因

 

 

腰椎椎間板ヘルニアは、脱出した椎間板組織が神経根を圧迫して腰・下肢痛を引き起こす病態です。(下図参照)

 


画像上下:日本整形外科学会HP 腰椎椎間板ヘルニア ページより引用

 

 

突出、脱出の起こる方向は線維輪の構造上、最も脆弱である後方、特に後外方とされています。
その周囲には、下肢へつながる神経の根元があり突出、脱出した組織により圧迫を受けやすい構造がみられます。その為、下肢への痛み、しびれの症状を伴う事が多くあります。

 

画像上下:日本整形外科学会HP 腰椎椎間板ヘルニア ページより引用

 

加齢に伴う椎間板の変形から生じるものは、“腰椎椎間板症”とか“変形性腰椎症”などと呼ばれます。

 

重量物の挙上や、スポーツなどでの力学的負荷がきっかけとなる症例も多くみられます。また、ぎっくり腰かとおもったら腰椎椎間板ヘルニアだったという例も少なくありません。若年層では大きな力がかかって生じることが多いですが、年齢層があがるにつれて少ないちからでも椎間板が脱出することがあるので、ぎっくり腰だろうと甘く見ないで近医を受診されることをお勧めいたします。

 

 

一般的な治療

 

 

一般的には、急性期(発生初期:炎症期)には鎮痛薬、抗炎症薬の投与をし患部の安静を図る方法をとります。点滴を用いた即効性の高い方法を用いたり、飲み薬を用いて在宅で炎症を軽くさせていく方法もあります。

急性期の激しい痛みには、トリガーポイント注射などの注射にて患部の痛みを和らげる方法をとる場合もあります。
まれに、高度な堪え難い痛みが持続したり、排泄コントロールができなかったりする場合は、手術療法を選択する事もあります。しかし、通常ほとんどの場合、保存療法、リハビリにて改善を図っていきます。

 

 

当院での治療方法

 

 

まずは急性期の激しい痛みを軽減させるため、医師詳細な診断の後、内服薬、点滴、注射の処方の組み合わせで軽減を図ります。症状に応じて単体処方をすることもあります。
患部の安静を図る為に、コルセットの処方することもあります。
詳細な検査が必要な場合は、提携病院にMRI検査を依頼してスムーズに精密検査を行える体制を整えてあります。
急性期の激しい痛みの軽減と共に、医師の処方による運動器リハビリテーションを実施します。
当院の運動器リハビリテーションは、担当するリハビリスタッフが患者様おひとりお一人の状態を把握させていただき、状の経過を追いながら適切なリハビリメニューを計画し提供させて頂きます
当院では、疼痛の軽減・解消、症状の再発予防、職場復帰やスポーツ復帰などの患者様の個々のご要望に則した治療を目指しています。スタッフ一同、患者様のお立場やお悩みを解決できるよう、誠心誠意診療させていただきます。腰痛でお困りの方はぜひ当院への受診をお考え下さい。

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