変形性膝関節症
高齢者から痛みの訴えが多い箇所のひとつとして膝の痛みが挙げられます。日本の高齢者の2人に一人はこの疾患に悩まされているという研究もあります。
体重がかかりやすい関節のため、日常生活や運動時の負担が高く、慢性的な痛みを発生することが多い関節です。
そこで特に罹患率の高い変形性膝関節症の概要を見てみましょう。
症状
男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。主な症状は膝の痛みと水がたまることです。
症状初期には立ち上がりや歩き始めなど動き始めのときに違和感を生じます。痛みの初期症状は階段での上り下りで膝回りに出てくることが多くみられます。症状が進んでいくと、正座やあぐら・階段昇降など膝の負担が大きい動作で痛みが生じます。
さらに症状がすすむと、歩行時全般に痛みが生じたり、安静時でも激しい痛みがあることもあります
原因
加齢(長年膝に負担をかけている状態)や、半月板損傷や骨折などの後に軟骨がすり減ることで症状が発生します。また、筋力低下、肥満、重労働などの要因をきっかけに症状が出てきます。
加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形します。
また、関節軟骨のすり減り以外でも、普段の動作習慣によって膝回りの筋肉や軟部組織への負担が大きい生活をしている人は、それでも同様の疼痛が生じてくることがあります。
予防(日常生活での注意点)
変形性膝関節症の予防は、いかに日常生活内での膝関節の負担を軽減するか、ということが焦点におかれます。具体例としては以下のことに気を付けてみるとよいでしょう。
・ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)やお尻の筋肉を鍛える。
・正座をさける。
・肥満であれば減量する。
・膝をクーラーなどで冷やさず、温めて血行を良くする。
・洋式トイレを使用する
以上のことなどが挙げられます。
治療
炎症が強く、疼痛が強い時期である場合(炎症が強い期間)には、関節の腫れや痛みをとるために消炎鎮痛剤の内服や湿布剤を使用したり、ヒアルロン酸製剤の関節内注射をしたりします。
多くは手術にたよらない保存的治療を薦めています。大きく分けますと、日常生活動作の注意・肥満対策、温熱療法などの物理療法と運動療法によるリハビリテーション、装具療法、湿布・鎮痛剤などの薬物療法です。
当院での治療
当院では基本的には手術以外の方法で治療することを勧めています。
当院の治療の特徴としては、膝のヒアルロン酸注射だけでなく国家資格を持った理学療法士や柔道整復師による治療も行っています。膝だけでなく身体全体のバランスや重心の偏り、筋力や柔軟性など身体の状態を分析しながら、適切な運動を処方することで保存的に痛みを減らすことに注力しております。
理学療法についての詳細は以下のバナーをクリック!
膝の痛みや違和感が気になる場合は、できるだけ早期の診断が必要であり、医師の診断のもと適切な処置をすることで症状の改善を図ることが可能です。
膝の痛みで日常生活にお悩みを抱えていらっしゃる方は当院でお力添えできることがあるかもしれません。私達が皆様のお力になれれば幸いです。