足関節捻挫(足関節捻挫後遺症)
足関節捻挫(足関節捻挫後遺症)
【足を捻ってからこんなお悩みはありませんか?】
・足首を捻った後から足首の外側に痛みがとれない
・足首の外側に腫れや内出血がある
・繰り返し足を捻ってしまう
・足の外側で支えにくい
・足首を捻挫した後から痛みが残っている
こんな症状が出ていたら、あなたは足関節捻挫からの問題を抱え続けているかもしれません。
足関節の捻挫は後遺症にもなりやすい身近な怪我ですので、痛みが引かない場合や同じ捻挫を繰り返すような場合は適切な治療・リハビリを経由していく必要があります。
【捻挫とは】
骨と骨の間に起こる急激なねじれ、あるいは激しい外力による関節周辺の関節包や靭帯の、筋肉、皮膚の損傷のこと総合してを捻挫と言います。
足関節捻挫はスポーツによる外傷で最も多く、内反捻挫(うちひねり)と外反捻挫(そとひねり)に分類され、内反捻挫が最も多く起こります。
【内反捻挫】
滑ったり、何かにつまずいたりして、足首を内がえし強制されることにより、足首の外側にある靭帯、足関節外側側副靭帯が損傷します。
受傷してまもなく、内出血や腫れなどが外果(外くるぶし)の周囲に出てくるのが一般的です。
足関節外側側副靭帯は、前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯をと言われる3つ靭帯で構成されていますが、通常の内反捻挫では前距腓靭帯の損傷が多く見られます。後距腓靭帯は重度の捻挫で一部に損傷を認めることもありますが、完全断裂にいたることはまれです。
しかし、以下の図の青色の線で示すように、足の外側に存在する靱帯および筋肉の腱は狭い部分に多くの構成体が集合しています。血管も細い血管がおおいので、内出血しやすい部分でもあるのが足の外側なのです。
※©teamLabbody 3D Motion anatomy より引用
―症状は?
受傷直後は足首の外側に痛みや腫れがみられます。また受傷後徐々に外くるぶしの下に皮下出血が出現します。受傷直後は痛みのため立つことが困難になる場合もあります。また受傷時の動きを再現すると痛みが誘発されます。
最も注意したいことは、痛みや腫れと損傷程度は必ずしも一致しないため、軽症と思わずに整形外科などに受診する必要があります。
―足関節捻挫の状態診断方法
内反(内ひねり)捻挫をした際、靱帯が損傷しているかどうかを簡易的に検査する方法があります。内反ストレステストと、前方引き出しテストです。
(受傷直後は腫れが強く痛みも強いため確認することはおすすめしません。無理に実施すると症状が悪化します。腫れが引いて痛みが落ち着いてきた頃に確認する手段になります。)
内反ストレステスト
内反ストレステストは、踵の骨を持って、足首を下に向けながら内ひねりをします。通常であれば可動がある程度のところで固く止まりますが、靱帯が緩んでいる場合は可動大きくなってしまいます。
前方引き出しテスト
前方引き出しテストは、脛側を押さえて、踵を手前に引っ張る検査です。この際、つま先の向きは脛の骨に対して垂直になるように向けます。正常であればほとんど可動が無いですが、捻挫により靱帯が緩んだ場合は前方にずれるように可動してしまいます。
これらは受傷してすぐには検査しにくく、正確に判断しにくいのが問題です。整形外科であればレントゲン検査により受傷すぐても検査が可能です。
ストレスX線検査
ストレスX線検査で距骨傾斜角が5°以上のとき不安定性があると判断できます。ただし、関節の不安定性には個人差があるため、健側との比較が重要です。
※このストレス撮影は損傷から間もない時期でも実施します。撮影時に痛みをともなうことがありますが、それにより悪化することはほぼ有りません。正確な撮影が後の診断に重要な材料になりますので、撮影の際には患者様のご協力が必要になります。ご了承ください。
―内反捻挫の重症度
Ⅰ度:前距腓靭帯の伸張あるいは部分断裂
Ⅱ度:前距腓靭帯の完全断裂
Ⅲ度:前距腓・踵腓靭帯損傷および後距腓靭帯の断裂
改めて、この重症度は受傷時の痛みや腫れの強さと一致しないことがしばしばあります。そのため、軽症と思わず痛みが引かないなら整形外科を受診しましょう。
捻挫だからといって靱帯の損傷による緩みだけが問題になるとは限りません。
以下にその実例をしめすと、、、、、。
―足関節捻挫と同じ受傷機序で起こるその他のケガ
・二分靭帯損傷
・腓骨筋腱脱臼
―合併症
・裂離骨折(多い!)
・足関節のインピンジメント症候群 フットボーラーズアンクル
・軟骨変性
・足根洞症候群(繰り返す捻挫に伴って生じる)
…このように、足関節捻挫と同じ受傷機序で起こる怪我や、足関節捻挫に合併して起こる怪我がたくさんあります。足を捻っただけだから大丈夫と思わずに、医師の診察を受けていただくことが重要です。
【外反捻挫】
足首が外がえしを強制されることにより、足首の内側にある靭帯が損傷します。
足首の内側には三角靭帯幅広く存在しています。三角靭帯は足関節の外側の靭帯に比べ強靭な為、内果(内くるぶし)の骨折が伴うことがしばしばあります。『捻挫かとおもったら骨折だった!』という例です。
※©teamLabbody 3D Motion anatomy より引用
―症状は?
内くるぶしの下に痛みや腫れがみられます。また重症度によっては皮下出血が出現する場合があります。内反捻挫と比べると立った時や動作時など身体を足に載せて運動すると、痛みが大きい場合が多いです。
―合併症
・裂離骨折(内反捻挫同様多い)
・脛腓靭帯損傷
【足関節捻挫を繰り返しやすい理由】
靭帯の損傷が完全に治っていない状態で、負荷をかけてしまうと靭帯が緩いままになってしまい、捻挫を繰り返す原因になります。また、関節が不安定なまま捻挫を繰り返すと関節軟骨も損傷し将来的に足首の変形をきたしてしまう可能性があります。
足関節捻挫は方向転換動作時やジャンプからの着地時に発生しやすく、スポーツなどで求められる十分な動作能力が獲得できていない状態で動作をすると最初受傷危険性が高まります。
もともと足の捻挫を繰り返しやすい人はいるもので、特に内捻りで捻挫しやすいひと足の外側で支えてバランスを取る力や、股関節周囲の力が連動しないことが研究でわかってきています。また、捻挫を放置することで足の関節を支える感覚の繊細さが失われ、バランスを崩しやすくなることで再受傷するリスクが高まることもわかってきています。
上記のように、不安定な足関節が続いていることによる問題を総合して
【慢性足関節不安定症(Chronic Ankle Instability Syndrome)】
といいます。
しかし、靭帯を直接鍛えることは出来ないかわりに足首周りの筋肉を鍛えることで、安定性を獲得することができます。これらの適切なリハビリで不安定性からの改善が可能なケースが多いことも事実です。
だから捻挫後の適切な治療が後遺症を出さないために不可欠なのです。
【足関節捻挫の一般的な治療法】
受傷直後にはRICE処置を行い、その後患部の固定をしていきます。
また稀に、不安定性が強いものには、手術を行うこともあります。
腫れが落ち着き、痛みがなくなると運動を再開する方が多いですが、足関節捻挫は適切な治療を行わないと再発しやすいため、痛みが取れてもしっかりリハビリを行うことが重要です。
湿布をして安静にしていれば治るというわけでなく、受傷により生じる不安定さに対応するためのリハビリが不可欠であり、リハビリは復帰のスピードを加速させる重要な手段になります。
【当院の足関節捻挫に対する治療法】
当院では、まず医師が患者様の患部の状態を確認して、X線の撮影を行い、重症度に応じて、ギプス固定、テーピング固定、サポーター固定をしていきます。※固定方法は重症度により異なります
その後状況に応じて必要な患者様にリハビリテーションが処方されます。
当院のリハビリテーションは、理学療法士や柔道整復師・鍼灸あん摩マッサージ師など、リハビリに特化したスタッフが対応させていただきます。リハビリは予約制ですので、リハビリ開始にあたりご予約を手配いたします。
リハビリでは、動作分析や身体機能の状態を評価して捻挫をしてしまう根本的な原因を見つけ出し、原因に対してマンツーマンで治療を行なっていきます。詳細な分析を通して、マッサージやストレッチ、バランストレーニングや筋力トレーニングを行い再発予防をしていきます。
スポーツをしている方で一部の動作で痛みが出る場合は、動作の修正指導もリハビリスタッフが行わさせていただき、スポーツ復帰までサポートさせていただきます。
当院のリハビリは『ケガが治る』だけでなく、『現場(スポーツ、仕事、日常生活)で支障なく使える身体までもとに戻す』ことポリシーとしています。ケガがは治ったけど、以前のように力が入らないとか、バランスが悪くなったなどような状態にならないよう、患者様が復帰する状況や環境に合わせた目標を立て、治療を進めてまいります。
足の捻挫をしたら軽症でも侮らず整形外科の受診をしてください。当院でしっかり判断をして、復帰をお手伝いいたします。
診療をお受けになる方法については、以下のページをご参照ください↓
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