骨粗しょう症 と ロコモ(ロコモティブシンドローム)
骨粗しょう症 と ロコモ (ロコモティブシンドローム)
【こんなお悩みはありませんか?】
・転ぶ回数が多い
・骨折を繰り返してしまう
・歩いているときや片足立ちが不安定
・信号がなかなか渡りきれない
・運動不足はわかっているけどどうすればいいかわかんらず放置している
当てはまる方がいらっしゃいましたらロコモや骨粗しょう症の危険性があるかもしれません。
【なぜロコモや骨粗しょう症になってしまうのか?】
そもそもロコモとは「運動器の障害のために移動能力の低下をきたした状態」と定義されています。
運動器は骨、筋、関節、神経など、人間の動きに関わる構造のことを総称して運動器といいます。
運動器の障害とは加齢に伴う変形性関節症、骨粗しょう症、それに伴う脆弱性骨折などが挙げられ、転倒リスクが非常に高い状態となります。
特に、骨粗しょう症の状態で転倒すると、大きな骨折を受傷しやすく、日常生活の動作が一人でできないくらいに動作が障害されてしまうケースが多いのです。
だから、骨粗しょう症とロコモは一緒に考えていかなくてはならない病気なのです。
そのため、今回は骨粗しょう症とロコモの関係について説明していきたいと思います。
まず、骨粗しょう症とは骨がスカスカになることでもろくなり骨折の危険性が増大している状態のことを指します。以下の背骨の断面で見ても、もろくなった骨は、骨の密度が粗くなっていることがわかります。まるで大根が古くなって中身に鬆(す)が入っているような状態になります。だから『骨粗鬆』症なのです。
※日本整形外科学会 パンフレット「整形外科シリーズ1 骨粗鬆症」より引用
骨粗しょう症となる原因としては生活習慣(過度なダイエットや食生活の偏り、喫煙、飲酒など)や加齢、ステロイドなどの服薬、閉経後の女性ホルモンバランスの乱れによる骨密度の低下が挙げられます。
また、高齢者では骨生成に必要なビタミンDが不足しやすく、骨密度の低下につながり、結果として骨折のリスクが高まります。
日本では2015年のデータで1,300万人以上の人が骨粗鬆症であると言われており、年々増加傾向にあります。(厚生労働省HPより引用)
ロコモになることで移動中の転倒リスクが上がり、その際に骨密度が低下していると重大な骨折リスクの増大、さらには寝たきりとなる可能性が高まってしまうのです。
当院で骨粗しょう症が疑われたり、骨粗しょう症が心配な患者様については、骨密度検査を実施することが可能です。
【なぜロコモや骨粗しょう症が改善しないのか】
人の骨では常に古くなった骨が破壊され、その分新しい骨が生成されます。これらを骨吸収と骨形成と言います。この吸収と形成のバランスが何らかの理由で崩れ骨の破壊量が増加することで骨密度が低下し、骨がもろくなっていきます。
一般的な治療法としては食事管理、運動療法、薬物療法が挙げられます。食事管理に関しては加齢に伴い低下しやすいビタミンDや骨形成に必要なビタミンK、カルシウムの摂取を行なっていきます。運動療法に関しては有酸素荷重練習や筋力トレーニングにて骨密度向上、筋力向上を図っていきます。薬物療法に関しては主に①骨吸収抑制する薬物(エストロゲンなど)、②骨形成促進する薬物(活性型ビタミンK2製剤)、③骨吸収と形成のバランスをアシストする薬物(カルシウム製剤)などの服薬が基本となります。
当院でも、骨粗しょう症と診断された患者様には治療薬の投与を提供させていただいております。
しかし、骨粗しょう症を有している方々はロコモを併発していることが多く、転倒リスクの高い状態にあります。
結局のところ運動不足状態や転倒リスクの高い状態が続いていることが改善されていないと、骨折のリスクは改善されていないため、受傷後にまた身体を動かしにくくなって、また骨粗しょう症へ、、、というサイクルを繰り返してしまうのです。
【当院で行うロコモと骨粗しょう症に対する治療】
当院では骨粗しょう症治療とロコモティブシンドロームの治療を平行して行うようにしております。骨粗しょう症への基本治療として、薬物療法を処方医師からさせていただきます。
さらに、骨粗しょう症の回復とロコモへの対処として運動療法を行なっていきます。そのためにまず体組成計という機械を用いて脚部の筋力量を測定します。
当院導入の体組成計『TANITA MC-980-A』
当院導入のこの機械では脚部の筋肉量の他に全身的な筋肉量や部位別の筋肉量と脂肪量、基礎代謝量などの値もでます。
実際にTANITAのデータとしては以下の写真のように出てきます。
※クリックで別ウインドウで画像を開き拡大可能となります。
また、ロコモ25の質問に答えていただいたり簡単な運動機能のテストをすることで現在のロコモ度をチェックします。当院のロコモ診断方法は以下のリンクからも自分で検査することが可能です。
日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
そしてその後TANITAで出た数値等を基にどこの筋肉量が不足しているのか、どのような運動を今後行なって行けばいいのかなどを伝えさせていただきます。
また、運動療法はマンツーマンにて行わせていただくため一人一人に合った運動指導を行なっていき、一緒に頑張っていく、というスタイルで実施していきます。
実際の患者様に対してTANITAを測定し運動指導を行うと、「数字として出てくるのでいい。」「自分一人だとどう運動していいか分からないし、続かないからよかった。」などのお声もいただいております。
また、55歳以上の男女を対象に週2〜3回ほど10ヶ月かけて筋力増強訓練を行ったことで骨密度が向上したという研究報告もあります。
(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン,2015より引用)
以上のことから当院では約1年間かけて運動療法の指導、月1回のTANITA測定にてみなさま一人一人にあったサポートを行なっていきたいと思います。
理学療法についての詳細は以下のバナーをクリック!
ロコモや骨粗しょう症になってしまうのは今や高齢者だけではありません。小、中学生の頃の栄養摂取状況やステロイドなどの服薬によって現在では20代女性でも見られるようになってきています。今後の日本の高齢化は益々拍車がかかるため今からの予防はとても重要になってきます。
自分はロコモではないか、骨密度が心配、一人では運動が続かない、どのように運動すればいいのか分からないなど、当てはまるという方がいらっしゃいましたら一度当院への来院をご検討ください。