宇都宮のはせがわ整形外科


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五十肩(四十肩・肩関節周囲炎)

 

「五十肩」は40~50歳代を中心に、多発する肩関節の痛みと腕が上がらない、手が後ろに回せない等の運動制限を主な症状とします。「四十肩」とも呼ぶことがありますが、最近は発症する年齢が40歳代に下がったため、「四十肩」と言われることが多くなりました。

 

医学的には『肩関節周囲炎』と総称とされ、外来整形外科では非常に患者様の数が多い疾患です。

 

五十肩は一般人口の1~10%がかかる(1)といわれ、女性(特に非利き手側)にやや多い傾向があります。両肩同時に発症するケースはほとんどみられませんが、両肩発症するというケースは20%程度ある(2)とされています。また、糖尿病の患者の10~30%が併発する(3)というデータもあり、糖尿病との関連性が高いという指摘もあります。

1)山本敦史,高岸憲二:五十肩の疫学.関節外科 30: 10-112011

2Levine WN, Kashyap CP, et al.: Nonoperative management of idiopathic adhesive capsulitis. J Shoulder Elbow Surg, 17: 231-236, 2007

3Bridgman JF: Periarthritis of the shoulder and diabetes Mellitus. Ann Rheum Dis, 31: 69-71, 1972

 

五十肩の原因は多岐にわたります。

 

基本的には、肩関節の動きに破綻が生じて、関節内やその周囲に炎症が生じることで痛みが生じることが多い病態です。炎症が生じることで、関節周囲の滑液包や筋が癒着して動きにくくなり、肩を動かしたときに痛みを生じやすくなることが多いのです。この炎症が強くなると夜間や就寝時にも痛みを生じることがあります。

※日本整形外科学会HP 五十肩(肩関節周囲炎)ページより引用

 

似たような症状でも筋肉が切れている場合もあります。

それが五十肩によく似た症状を呈する腱板損傷です

※画像上下:日本整形外科学会HP 肩腱板断裂 ページより引用

 

これが五十肩とはちがい、筋肉に傷がついてしまった状態ですので、本来痛みなく動かせる筋力が使えなくなってしまいます。

それにより上腕骨と肩甲骨の骨の一部(肩峰)が衝突してしまい、断裂した筋肉が挟み込まれてしまって痛みを生じます。腱板の筋は腕の自重を支えるだけでもはたらく筋肉ですので、軽いものを持ち上げるだけでも痛むことがあります。

医師やリハビリ専門スタッフによる適切な診断と治療が必要になります。腱板損傷は場合によっては手術が必要になります

 

 

五十肩の症状

 

 

五十肩は三つの病期「炎症期(えんしょう)期」「拘縮(こうしゅく)期」「回復期」をたどるのが一般的な経過で、原則的には良くなる病気です。各期間が半年間継続し、発症してから治るまでに平均1年半かかることもあります。

 

全体としてなにも治療をしなければ1~3年が四十肩の病期として考えられています。

 

「炎症期(えんしょう)期」

 

「炎症期」の痛みは、腕を上げた時だけでなく、内側、外側とすべての方向に動かした際にみられます。痛みは次第に強くなり夜間痛もしばしばみられます。 痛みから睡眠障害に至ってしまうこともあります。

 

「拘縮(こうしゅく)期」

 

拘縮とは、関節が縮んで肩の動きが悪くなった状態を言います。痛みや夜間痛などは落ち着きますが、肩を動かした時の動作の最後の部分での痛みはこの時期に多く見られます。また、肩の動きが制限され、とくに手が後ろに回らなくなることが多くなります。

 

「回復(かいふく)期」

 

少しずつ可動域が改善されていきます。ただし、中には痛みや拘縮が後遺症として残ってしまうケースもみられるため、 整形外科を受診し、しっかり治療する必要があります。

 

よくある患者様の声に

『周りの五十肩かかった人は放っておいたら治った』『知らないうちに治った』という噂をお聴きになり、整形外科を受診せず、後遺症が残った状態で長期間過ごされている方を多くお見受けします。

そうならないためにも、お早目の御受診をオススメしています。

 

当院での五十肩の治療

 

 

当院での五十肩の治療法の主な方法3つです。

 

①:最初に強い痛みを改善する

 

②:繰り返される痛みに対してリハビリを行う

 

③:理学療法士により、身体の状況に合わせて疼痛改善と再発予防のために身体の調整を行う。

 

 

 

①:最初に強い痛みを改善する。

 

まずは、五十肩の初期症状である強い痛みへ対処していきます。

当院では、肩に直接痛み止めを入れる『関節内注射』という方法や、点滴による痛み止めを行い、強い痛みを最初に対処することをお勧めしています。

痛みが強い時期は、睡眠もうまくとれず、痛みを自分で対処するのも難しくなります。痛みが長引くと、それだけ体を動かさなくなるの期間が長くなるので、その後の肩の動きが硬くなり、動ける肩の範囲が狭くなってしまったり、硬さによる肩の痛みが長引いてしまったりします。

そのため、痛み始めに初期の痛みをとることが大切です。

 

②:繰り返される痛みに対してリハビリを行う

 

炎症があった時期に肩やその周りが硬くなり、関節周囲が硬くなります。医師の許可のもとリハビリを受けることが可能になります。その硬さや動きの不具合に応じて、患部を温めたり、マッサージ、可動域訓練を行います。週2〜3回程度通っていただき、身体を調整していきます。

当院では、『柔道整復師や鍼灸・あん摩マッサージ指圧師』といった国家資格を持った専門員がリハビリを担当いたしますので安心してリハビリに通っていただけます。

 

③:理学療法士により、身体の状況に合わせて疼痛改善と再発予防のために身体の調整を行う。

 

五十肩になった方々は、もとより日常生活の動作や姿勢の傾向から肩に負担をかけやすい身体になっていたり、肩以外にも原因があるケースが多いです。例えば、肩を痛みなく挙げる動作には肩関節の動き以外にも鎖骨や肋骨、肩甲骨の動きが必要になります。このような、肩に関連するほかの部位もアプローチしていくとよいといわれています。

 

画像:(c)teamLabBody 3D motion anatomy より引用し注釈)

画像:(c)teamLabBody 3D motion anatomy より引用し注釈)

 

理学療法士という国家資格を持ったスタッフが医師の指示を受け、患者様のお身体の状態をや生活の状態を評価させていただき、病期に合わせた対処方法や治すための運動方法をご指導させていただきます。ご自身で治していただくリハビリ方法と、理学療法士の手を用いて治療する方法で最適な物を組み合わせ、治療を行います。

 

理学療法は完全予約制となっており、1人の患者様に1人担当理学療法士ついて1対1で一緒に治療を行って参ります。

 

当院の理学療法では、極力再発しないような身体へ戻すことを考え、身体の問題の原因を突き止めながら治療することに力を入れております。

理学療法についての詳細は以下のバナーをクリック!

 

最後に

 

 

四十肩、五十肩は多くの患者様がいらっしゃる故に、『放置していれば元どおりになる』『痛いけど動かしていればなんとかなる』など、誤解が生じていることが多い疾患であると言われております。

 

痛みが引かない、悪化しているなど感じたら、お悩みにならず極力早めに近くの整形外科に行かれるようにしてください。

 

その選択肢として当院を選んでいただければこれほど嬉しいことはありません。

 

当院が患者様に少しでもお役に立てられることを願い、尽力して参ります。

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